1.お彼岸とお盆とは?
2.それぞれの違いとは?
3.まとめ
1.お彼岸とお盆とは?
お彼岸とは、ご先祖様のいる世界とされている『彼岸』と私たちがいる世界とされている『此岸』が最も近づくとされている春分の日・秋分の日を中日とした7日間のことです。
元々彼岸という言葉は、古代のインド等で使用されていたサンスクリット語の漢訳が語源とされており、悟りの境地に達すること・そのために積むべき修行という意味を持つ言葉とされています。つまり欲や煩悩等から自由になり、悟りの境地へ達することを指します。このことから、彼岸の期間にご先祖の供養を行うことでご先祖様だけでなく供養を行った人自身も煩悩のない悟りの境地へ達することができるのではないかという考え方に繋がるようになりました。
彼岸という言葉は仏教の影響を受けた言葉ですが、他の仏教のある国ではお彼岸という文化はありません。この彼岸という考え方が日本古来からある思想や習慣に結び付き、ご先祖様を供養する日本独自のお彼岸という文化になったといわれています。
一方お盆とは、『盂蘭盆会』と呼ばれる7月もしくは8月の期間中にあの世からこの世へ帰ってくるご先祖様の霊をお迎えして供養する行事のことです。盆飾りや盆棚を用意して、こちらへ帰ってくるご先祖様を迎え火でお迎えし、またあちらへ帰られるご先祖様を送り火で送り出します。
2.それぞれの違いとは?
お彼岸とお盆は、お墓やお仏壇を綺麗にして、お墓参りをしてご先祖様にお供えをして感謝して過ごすという点では同じですが、それぞれ違う点もあります。
お彼岸は、前述のように彼岸と此岸が最も近づく期間を指しますのでご先祖様がこちらに帰ってくるというわけではありません。そのためお盆のように飾りや盆棚を作ったりはせずに基本的には此岸の近くまで来てくれているご先祖様のためにお墓参りへ行き、お仏壇にお供えをします。
お仏壇には、春には牡丹餅・秋にはおはぎをお供えします。また地域によっては彼岸団子という団子をお供えすることもあるようです。
また、お仏壇やお墓のにお供えするお花としては、カーネーションやトルコキキョウ・秋には彼岸花が多く供えられるようです。
一方お盆では、ご先祖様がこちらに帰ってくるため、お盆飾りや盆棚を準備してご先祖様を迎えます。
お盆の一般的なお供え物としては、盆提灯やそうめん・精霊馬等があります。
お仏壇やお墓にお供えする花としては、邪気を払うとされている菊やほおずき・リンドウ・カーネーション等がお供えされることが多いようです。
3.まとめ
お彼岸とお盆には、ご先祖様に感謝し供養するという共通点があり、お彼岸は年に2回、彼岸と此岸が最も近づく期間、お盆は年に1回、あちらからこちらへ帰ってくるご先祖様をおもてなしする期間という違いがあります。
お彼岸とお盆との違いを理解することで、お仏壇に向かって手を合わせるときやお墓へお参りに行く気持ちにも変化が出てくるのではないでしょうか。