1.喪中とは?
2.忌中との違いは?
3.まとめ
1.喪中とは?
喪中とは、家族や親戚が亡くなったときに故人様の冥福を祈って喪に服す期間のことを指します。昔、死は穢れとされており、他の人に伝染することが無いように喪服を着て、外部との接触を断つために外出を控えなければならないとされており、その名残であると言われています。
現代では、喪服を着て過ごすということはなくなっており、身を慎み、故人様を偲ぶ期間とされています。
浄土真宗では亡くなるとすぐに成仏し、極楽浄土へ行けるという教えのため忌中や喪中はありません。
同様にキリスト教では、亡くなると神様の元へ召され、復活まで天国で過ごすという考え方のため忌中や喪中はありません。
喪中の期間としては、1周忌までが一般的ですが、太政官布告式家制服忌令によると以下のようになります。ただし、現在では太政官布告自体は廃止されていますので、昔のような明確な決まりではありません。
また、喪中期間のため新年の挨拶を控える旨を伝えるための『喪中・欠礼はがき』の用意もしておきましょう。
喪中にしないほうがいいことは以下の点が挙げられます。
- 結婚式
喪中は基本的に祝い事を避けるため、結婚式の開催・出席は避けた方がよいとされています。
しかし、前もって決まっている場合はできる限りで延期するようにするとよいでしょう。それぞれの考えもありますので両家で話し合いをした上で決めるようにしましょう。
- 新年のお祝い
結婚式と同様に新年のお祝いも控えた方がいいでしょう。
鏡餅やしめ縄等正月飾りは避け、『明けましておめでとう』という新年の挨拶もしないほうが無難です。
2.忌中との違いは?
一方よく似た言葉で忌中というものがありますが、喪中も忌中も身内や親族を亡くした後、身を慎む期間という点では同じです。
忌中とは、仏教であれば49日まで・神道であれば50日祭までの期間のことを指し、死が穢れていると考えられていたころの名残であると考えられています。この点が喪中との違いと言えるでしょう。
忌中にしないほうがいいことは以下の点が挙げられます。
- 神社への参拝
神道では、忌中は故人様の穢れがあると考えられているため、それを持ち込まないようにするため、神社への参拝をしないこととされています。
具体的には、お宮参りや七五三・安産祈願や成人式のお参り等が挙げられます。
- 慶事
忌中は慶事の開催・参加は避けた方がいいとされています。
結婚式や開店祝い・引っ越し祝い等や飲み会の参加・開催もできる限り避けるようにしましょう。
お祝い事に招待された場合、忌中なのでとはっきり伝えることは避けましょう。結婚式の場合は、『せっかくですがどうしても都合がつかず』等と理由を伏せて伝え、忌明け後にお祝いの言葉と共にお祝い金を渡して祝福すると良いでしょう。
飲み会等に誘われた場合もはっきりと伝えるのではなく、『参加したい気持ちはありますが、みなさんにお気遣いいただくのも恐縮なので』や『まだ気持ちの整理がついていないので』等と伝えるとわかってくれるでしょう。
- 贈り物
忌中の間、身を慎むのは穢れを他者に移さないようにするためと言われています。そのため、この時期の香典返しやお歳暮・お中元等の贈り物は避けた方が良いでしょう。
3.まとめ
喪中と忌中に共通することは、慶事を慎み、喪に服すことです。
最近では慶事は避ける等の風習は守りながらも、それぞれの価値観や環境の変化などから、昔よりは普段の生活に戻ることが早くなってきています。
過ごし方はそれぞれ違いますが、故人様を偲び、心の整理をつける期間として過ごすようにしましょう。